※まだ付き合ってない両想いなノルニヒ
「お前、いつもそれ読んでるな」
透き通った瞳で見つめながら率直な疑問をニヒルは投げかけた。
いつも俺は本を読んでるイメージなのか、実際は不明だがニヒルに会う度に本の言葉たちを眺めているのは確かだ。
「…他に読みたいものが無い」
「と、言うか、ノルは本に書いてある言葉が分かるのか?」
俺たちは何も知らずに生まれてきた所謂存在してはいけない人種だ。
もちろん生きてそのまま命が尽きるまで過ごせる感じはしないから、いずれ何かがきっかけで消えるだろう。
ふんわりと何処かでそんな事を考えてるだけなので言葉なんて読め無ければ意味も大して理解していなかった。
つまり文字通り本の言葉を見てるだけの読書だった。
「言葉の意味を求めるよりも、ただの時間潰しだ」
「同じモノばかりでよく飽きねぇな…勉強したいならヴェーシに頼めば良いじゃん」
「…別に、学びたい訳じゃない」
言葉や感情に直結するにはヴェーシから学ぶしか無い。
別にどうしても知りたい訳でも無いし、学んだところでこの本を全て読むのに一体どの位の時間が必要になるだろうか?
ただ、会う理由が欲しい、それだけだ。
俺がこうして本を眺めてると、ニヒルは毎回やって来る。
本があれば話のネタにはなる…だから時間潰しに眺めては会話を楽しんでいるだけだった。
俺がもう少し言葉が上手ければニッツのように話しかけられるんだが…同じ本を繰り返し理解もせず見ていたところで会話は上手くならないようだ。
「いつか、俺に読んでよそれ」
一言、ゆっくりと発してニヒルはお願いするように言葉を生み出した。
俺だけでなくニヒルも当然文字など読めないので、そんな願いは叶うかどうかなんて分からない。
分からないからこその約束なのか、ニヒルもずっとこうして居たいのか心の内は謎だった。
ただ一つだけ理解出来たのは、
「…そうだな、必ずお前にこの本を紹介しよう」
こう言う時に人は笑うのだ、と。
give you my word
誓いを果たすから側に居て
(ノルニヒやっと書いたがげろ甘い…!!!)
(ノルもどこかニッツが羨ましく感じている)