※現パロ
大学生ニッツ×ダメ社会人ニヒル
「……遅い!」
時計の針は深夜を過ぎていた。
何故こんな時間まで起きているかと言うと、同居人である恋人が返ってこないからだった。
良い社会人が夜中まで飲み歩くとはどういう心理が働くのだろう。
まだ大学生の僕には分からない世界だった。
恋人――ニヒルと会ったのは偶然で、僕が大学への通学で電車に乗っていた時に隣の席へダルそうに座っていたのがきっかけだった。
(こいつ、何でこんなに寄っかかって来るんだよ…!)
ちょっとイラっとしたので文句を言おうとしたら、ニヒル先生だった。
「え、ニヒル先生?」
「は?誰、お前?」
「あの、高校の頃塾で…」
「……あー、あの眼鏡か!眼鏡無いと分かんねぇもんだな!」
高校生時代、僕は今の大学に通いたくて塾へ行っていた。
その当時の講師がニヒル先生で、とても親切にしてくれた。
でも何か…だいぶ印象が違う気がする…。
「先生、ご飯とか食べてるんですか?」
「お前はかーちゃんかよ!飯くらい食ってる…様な気がする」
まじまじと見た先生の顔は、どこか血色も悪く、見ていて心配になる位だった。
「先生、家ってどこですか?」
「あー?お前の行きたがってた大学の近くだよ」
「あの、もし良ければ――」
――夕方、待ち合わせをして先生の家にたどり着いた途端呆れてしまった。
あんなに勉強を教えるのが上手な人が、ここまで生活力が無いとは…。
僕は先生に、家事を行う条件付きで住まわして欲しい。と頼んでみたら快くOKしてくれた。
そして今に至る。
先生は意外とダメな人だった。
毎週金曜日は外に出て飲み歩き、帰って来ては翌日の昼過ぎまで寝ている。
塾で抱いた先生の印象は、ガラガラと崩れ去っていた。
たまに家の鍵を持たずに出てしまう事もあって、今日はその日だった。
帰るまで起きてくれ。と、連絡が来たのは今からもう2時間も前の話だ。
僕は土曜に講義がある為、正直もう寝たい。
「にっつ~!」
玄関から大きな音を立てて、例のダメ社会人先生は帰ってきた。
「あの、おそ…」
遅い。と、文句を叩きつけようとしたが先生はいつもと雰囲気が違った。
トロンとした瞳。
少し赤くなった頬。
どこか、艶っぽい印象を纏った先生は、もう女性そのものみたいだった。
理性が飛びそうになるのをぐっと耐えて僕は冷静を装うとした。
「ごめんな~!テキーラ呑み過ぎたぁあ~」
どこか馬鹿みたいに呑気に答えるが、僕はこれ以上言葉を発する事が出来なかった。
「なんだよぉ~、怒ってんのかよ~!今度テキーラ奢ってやるから、そんなにむすっとすんなよ!」
ケラケラ笑う先生は、まるで悪魔のように僕を誘っていた。
こんなの拷問過ぎる!
抑えきれない理性と欲望が僕の体を勝手に動かしていた。
「……せんせい、」
どこかいつもと違ったのか、それとも酔いが覚めてきたのか、ハッとした表情で僕が好きな人は見つめ返した。
「優しく出来ないからゆるして」
seesaw game
‐完全に僕の負け‐
大学生は性少年…。
ニッツは欲望と共にあれ!!!!!!!