※現パロ
ニッツ☞☞☜ニヒル☞☜ノル
「………ごめん、もう、終わりにしたい」
いつもの夜のドライブ。
時刻は0時をまもなく迎える頃。
ポツリと僕の恋人の様な存在は呟いた。
恋人と言っても、ただのセフレだ。
ただ勝手に、僕が恋人の様な感覚で接していただけだった。
「…うん」
「もう会えないよ、ごめんな」
本当に悪そうにニヒルは一言、言い放った。
その霞む様に消えて無くなりそうな声は、今の彼そのままを現していた。
僕はこのままずるずると関係が続くはずがないと、どこかで何となく感じていた。
でも、それが今この瞬間とは思いもしなった。
いつか悲しそうに僕を見つめて、そのまま抱きしめた夜に、関係は始まった。
恋人でもなく、友達でもなく、親密にもなれない。
ふんわりとしたこの関係性が、どこか居心地良く感じてしまったのだろう。
夜更けの静けさに、車のエンジン音だけが響いていた。
街灯の明るさが等間隔で照らす。
いつもに増して静けさが胸に響いた。
あの交差点を左に曲がれば、この関係は終わる。
「………俺の家は左だよ、」
僕は無言のままハンドルを右に切っていた。
どこかでずっと、このままで居られると信じていたのかもしれない。
時刻は0時を回っていた。
ニヒルは無言に耐え切れなかったのか、ラジオの電源に手を伸ばしていた。
ラジオからはスペシャルナンバーが流れ、初めてニヒルの肌に触れた瞬間を思い出した。
そういえばあの時も、同じ曲が流れていて、今はこの曲がどこか皮肉めいて聴こえてしまう。
―――いっそ粉々にして、全てゼロにしたい。
どうして僕は弱っていたニヒルを抱いたのだろう。
あのまま、家に帰すべきだった。
運命と言うのは残酷すぎて、今の僕にはあまりにも辛すぎた。
きっと笑われてしまうだろう。
僕は、最大の過ちを犯したのだ。
せめてどこか遠く、連れ去ってしまいたい。
Special number.
‐君を愛してしまった‐
BGM:
Sound Schedule『スペシャルナンバー』
ニッツ君のことは好きなんです。
ただ報われない設定が美味しすぎるのです…。